岡山の生地屋さんに行ってきました。
そう、自分のジーンズに使うデニムを選びに。
hands-on山口さんに連れて行ってもらいました。
私の様な素人がいきなり行って、入っていけるわけがありません。
その時の様子をレポートします。
テンパる
サンプルルームに入ると、
うわっ、生地だらけ。すごい量だな~。
あまりの数のデニムに圧倒されます。
え~っと、どうすればいいんだ?
まず、自分がどう振る舞っていいのか分からない。
とりあえず周りを観察。
部屋の窓際には、商談中とおぼしき男性2人。
片隅のソファーでは作業中?の男性2人。
生地の列の間では、生地を整理中の女性が1人。
特別こちらに気を留める様子はありません。
山口さんは・・・。
普通に生地を物色中。
なんだ、勝手に見て触っていいんだな。
とりあえず、グル~っと一周してみる。
目の前に現れる、多種多様なデニムをとりあえず触りまくる。
うんうん、うんうん。なんて言いながら。
実際は、場の雰囲気にのまれて頭が全く回転していません。
ただ、徘徊しているだけです・・・。
自分を取り戻す
これはまずい。これじゃ、時間がいくらあっても足らないぞ。やみくもに触っててもしょうがない。
「フ~ッ」と深呼吸して、ちょっと頭の中を整理し直してみる。
欲しいのは当然セルビッチ(ミミ生地)。
色は自然なインディゴブルー。
オンスは、14オンス前後。
条件を絞る事で、大量の生地がスッキリ見えてきました。
セルビッチは何カ所かに分かれてて・・・、だいたいオンス別に並んでて・・・、この辺に吊るされているのが・・・などなど。
ようやく周りが見えてきました。
生地について質問
ここで、商談を終えたスタッフさんが通りがかる。
おっ!チャンスチャンス。
ちょっと忙しそうでしたが、ここぞとばかりに、質問攻めに。
私が聞きたかったのは、生地そのものの話。自分の勉強の為です。
糸の繊維長短、撚りの回数、撚りの強度、紡績方法の種類、糸の太さと打ち込み密度、縮みねじれの仕組み、染色、生地の整理加工などなど。
こういった会話の中で興味深かった点がいくつか。
- ハリ、コシ、しなやか、など抽象的な言葉を使うと会話がかみ合わない。
染めの深さは、スタッフでも分からない。- 私が欲しい、ある条件の生地を手に入れるには、最低~の注文が必要。
1.
例えば、「タテ糸がこうで、ヨコ糸がこうだと、こんな風にハリのある生地になります。」といって見せられた生地は、私にとってコシのある物だったり。
2.
色の濃さは見ればわかりますが、どれくらい糸の芯まで染まっているのか。そこが知りたかったんですが、それは分からないそうです。
※生地屋さんからメッセージをいただき訂正です。糸の染まり具合や糸の撚りは生地により調整しているそうです。私の聞き方が悪かったかも・・・。
3.
いわゆる最低ロット。ある程度、数を作る覚悟がないといけません(汗)
自分の目で選ぶ
ここからが勝負だぞ。
いよいよ本格的に生地を選びます。
本来なら、自分の欲しい生地のイメージを伝えて選んでもらうのが、手っ取り早かったかもしれません。
質問に答えてくれたスタッフさんも、「変な質問しないで、こんな感じと言ってくれれば、すぐ出すのに。」なんて思っていたかもしれません。
でも私は、自分の目で見て、手で触って、どんな風に成長するのか想像しながら選びたかったのです。
今までの、大量のジーンズを生から穿き込んできた経験を頼りに。
それぞれの生地に、ノンウォッシュ、ワンウォッツシュ、加工されたものなどが用意されていて、特徴が分かりやすくなっていました。
山口さんのアドバイスで、加工された生地はあてにしない方がいい、との事。
(私が知りたい生から穿き込んだ場合の色落ちと、加工の色落ちとは異なるという意味です。加工ジーンズを作るメーカーさんにとっては、いい判断基準になります。)
主にワンウォッツシュ生地を参考にして、選びました。
手で触って質感を。硬い柔らかい、ハリ、コシ、肌触りなど。
生地に顔を近づけて、タテ糸ヨコ糸の出かた、生地の密度、毛羽立ち、ムラ感など。
常に、穿き込んでどんな風に変化するのかを考えながらです。
このコシならヒザ裏のアタリがこうなるかな。
このハリなら、パッカリングがこうなるかな。
これならヒゲが・・・。
この耳ならアタリが・・・。
同じオンスでも、微妙に表情の違う生地があるので、とても悩みます。
困ったな~。決め切れない・・・。
すると山口さんが、「持ち帰って自分でいじった方がいいですよ」と助け舟。
持ち帰る!?
サンプルは、無料でもらえるとの事。
ずいぶん肩の荷が下りました。
こうして、ようやく選んだ生地がこちらの7種類。
写真では、パッと見、全部同じに見えますよね。
どの生地がどうなのか。
これから、徹底的にいじって調べていきます。