K.Tさんからご注文をいただいているbridge S Antique<セミオーダー>では、作業しながら写真を撮ってみました。
ここまで3回に渡って<裁断~前身完成>、<後ろ身の完成まで>、<筒状にする>をご紹介してきました。
今回は、<ウエスト帯付け~完成まで>をご覧ください。
ウエストに帯を付ける
前回までで、前身と後ろ身が合わさって筒状になりました。
ここにウエスト帯を付けていくんですが、最初の合わせる工程の写真を撮り忘れました。これには理由があって、今までやったことのない縫い方だったので、作業に集中してうっかり・・・。
もう、ウエスト帯が付いています。
上の写真を見て違和感を持った方がいるでしょうか?
通常、この腰の中心部分には生地の縫い継ぎがあります。こんな風に。
今回は、ウエスト帯を耳使いにするオプションを追加されたので、生地の縫い継ぎはしていません。
でも、耳が見えていませんね。普通、ウエストを耳使いにするとこうです。
しかし今回は、こう。
「ウエスト帯に耳を使うけど、耳は見えなくていい。」というK.Tさんのご要望でした。なんという自己満足の世界でしょうか!!
普通に縫ってしまうと、耳が全く見えなくなるので、耳使いの証を僅かに残す事にしました。
ウエスト帯を表からステッチする時に
生地端の始末に一工夫。
生地の折り返しに角度を付けて、耳が見えるようにしました。耳のチラ見せです。
フロントボタンを外した時にだけ、耳使いを確認できるわけです。
ウエスト帯を仕上げる
続いて、ウエスト帯の上辺を縫っていきます。
革パッチも同時に縫い付けます。
ぐるりと一周して革の縫い初めに戻ります。
なるべくステッチを重ねるようにしていますが、ずれる場合もあります。予めご了承ください。
この革ですが、新しく手に入れたもので、このジーンズで初めて縫い付けました。
シボが入っていますね。
ミネルバボックスという革で、いつものミネルバリスシオに手作業でシボを入れたものです。革の性質には変わりがないので、今まで通り、最高のエイジングが楽しめます。
表面がつるっとしたリスシオ、シボ感のあるボックス、どちらも甲乙つけがたい素晴らしい革です。
バックシンチを縫い付ける
バックシンチだけ01生地にしました。他の部分は全て02生地です。
左のシンチにピスネームを付けるカスタムです。
右のシンチは普通に。
縫製完了
以上で、縫製が完了です。
ボタン・リベット打ち
仕上げに、ボタンとリベットを打っていきます。
私は、ハンドプレス機を使用。
シルバー(銀色)のトップボタンとサスペンダーボタン。
フロントボタンの位置に印をして
打つ。
留まっているボタンを
外すと、耳が覗く。
リベットを打つ。
この後、リベットの頭を潰すんですが、またしても写真を撮り忘れました・・・。
完成
以上で完成になります。
吊るした状態の写真もご覧ください。
仕様をまとめておきます。
生地:02生地
シルエット : 膝下・弱テーパード
バックルの種類 :針なし
トップボタン・サスペンダーボタンの色 : シルバー
フロントボタンの種類 : すり鉢状
リベットの色 : 銅色
バックポケット飾りステッチの有無 : あり
ベルトループの有無・種類:なし
オプション:ヒヨクの耳使い、前持出しの耳使い、ウエスト帯の耳使い
カスタム:ウエスト耳のチラ見せ、片ポケ、バックシンチだけ生地変え(01生地)
最後に
今回は、私の都合に合わせて、暖かく見守り、応援していただき、ありがとうございました。
このジーンズ作りを通して、私自身、成長させてもらったと感じています。
そして今度は、ジーンズを育ててもらう。お世話になりっぱなしですね(笑)
K.Tさんにとって最高の1本になりますように!
ありがとうございました。
shingo
メイキング記事リンク
K.Tさんのbridge S Antique のメイキング1.<裁断~前身完成>
K.Tさんのbridge S Antique のメイキング2.<後ろ身の完成まで>
K.Tさんのbridge S Antique のメイキング3.<筒状にするまで>
K.Tさんのbridge S Antique のメイキング4.<ウエスト帯付け~完成まで>