bridge 3rd modelの製作過程

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Double Volante(ダブルボランチ)・國吉さんが、bridge 3rd model・2回目の生産の過程を、縫っている本人目線でブログにしています。

このブログの内容を追いながら、私目線でも、気が付いた事をブログにしたいと思います。

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denimba「bridge」に取り掛かります|Double Volante (2015/4/8)

まずは、こちらをご覧ください。denimba「bridge」に取り掛かります

brdige 3rd modelの裁断は、岡山で行われています。
ダブルボランチさんは、普段、個人のオーダーを縫っています。その際は1本分ずつハサミで裁断しています。
しかし、bridge 3rd modelの様に一定仕様のジーンズがまとまった時は、専門業者でやってもらうようです。
担当は、大塚さん。エプロン姿がなんともキマっています。
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沖縄に届いた裁断済みのデニムはこちら。
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私の想像以上に、ギチギチに縛っていました。でも、岡山から沖縄まで送るので、これくらいやって段ボールに詰めないとがちゃがちゃになってしましますよね。

解いてパーツごとに分けるとこんな。
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bridgeは、キバタという防縮加工などがされていないデニムで作っています。
その為、生地が硬く折り癖が付きやすく、また、裁断面がめくり上がって毛羽立ちもしやすいです。
縫う前のアイロンがけだけでも、かなりの時間がかかるのが想像できます。

ステッチに思いや信念を込める|Double Volante (2015/4/10)

まずはこちらをご覧ください。ステッチに思いや信念を込める

この写真は、同じ番手(太さ)の糸でピッチを変えて縫ったもの。
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ピッチの違いは一目瞭然ですが、糸の太さも違って見えてくるから不思議!!

國吉さんの言葉を借りると

ステッチの目を大きくしたり、目調子をきつく・ゆるくしたりするだけでステッチに違いを生み出せます。

ここから更に糸の番手を変えるとステッチの見え方は奥行きを増してきます。

目調子をきつく・ゆるくですが、糸の張り具合の事です。

更に、bridge では、縫製糸に、綿糸と麻(亜麻)糸を縫うか所によって使い分けています。
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綿糸と麻糸では、見た目が違います。
麻の方が、太く見えて、発色が強く、新品時には光沢があります。

また、こんな事も

縫う箇所によって少し生地を引っ張り気味に、生地を送り込むように縫ったり

縫い手のこだわり次第ですが、できる事は色々あるんですね。

例えばシンプルな縫製のこの部分。
ポケットを縫いつけるステッチのスタートは、生地が1枚だけ。
ポケット口に差し掛かると、急に厚みが増します。生地1枚分から5枚分の厚みに。
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目調子が乱れやすいこの段差部分で、國吉さんは、一瞬ミシンを止めて目調子をとりなおしてから、縫い進めたりします。なんというこだわり!!
急に厚みが増す部分は、生地の進みが突っかかりがちです。そうなると、ピッチが細かくなる。このあたりも生地の張り具合などの手加減でキレイに縫っているのかもしれません。

とにかく、目調子を常に気にしながら縫い進めていきます。
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仕上がりはこんな感じ。
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う~ん、美しい!

ちなみにここは、糸の素材・太さは同じで、ピッチに変化を持たせています。
ポケット口をおさえるステッチは、ピッチを細かく。
ポケット外周は、少しピッチを大きく。
耳のアタリと、ポケットのパッカリングを意識しての設定です。

縫う箇所によって

  • 糸のピッチを変える
  • 糸の太さを変える
  • 糸の色を変える
  • 糸の素材を変える
  • 糸調子を変える
  • 生地の張り具合を変える

語り出せばまだまだありますが、これだけでも、ステッチひとつで表現できる事が沢山あると、理解してもらえると思います。

ステッチに思いや信念を込める

この國吉さんの気持ちは、私も同じです。
きちんと勉強したうえで、意見、考えをぶつけ合いながら、仕様を詰めていきました。

ビンテージジーンズには無いディテール|Double Volante (2015/4/13)

まずは、こちらをご覧ください。ビンテージジーンズには無いディテール

ここでは、フロントポケット口の縫い方を紹介しています。
brdige 3rd modelは、こんな風になっています。
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ダメージが出にくいように補強がされています。この仕様は、最近の國吉さんがジーンズには取り入れているそうで、bridge 3rd modelでも採用しています。

どうやって縫っているのか、見てみましょう。
まずは身生地の上に補強布を重ねて
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更にその上に、ポケットの袋布を重ねて縫いつけていく。
身生地と袋布はカーブして裁断されていますが、補強布はまっすぐ。
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キレイにステッチをカーブさせつつ、間の補強布を手加減で曲げながら、3枚の生地がずれないように縫っていく。
う~ん、面倒ですね。自分だったらやりたくないです(笑)

これをひっくり返すと、間に挟んでいた補強布が上に出てきます。
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この補強布をポケットの内側に折り込みながら縫製。
この工程では、ポケット口のダブルステッチと補強布の縫い付けを同時にやっている事になります。
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そして、出来上がり。
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表から見たら、普通のジーンズと変わりありませんが、実はこれだけ手間がかかっています。
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ちなみにこの部分のステッチは、麻の太い糸でピッチを大きくしてあるので、とても力強い印象を受けます。

bridge 3rd modelを穿いている方は、たまに、このポケット口を覗いてやって下さい!

denimba 「bridge」前身頃完成・・・|Double Volante (2015/4/16)

まずは、こちらをご覧ください。denimba 「bridge」前身頃完成・・・

ここでは、フロントボタン周辺と股の縫製を紹介しています。

まずは、フロントボタン周辺。
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このダブルステッチでは、裏側にボタンホールが開いたパーツが縫い付けられています。
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この写真からも、ダブルステッチを通すラインをミスるとボタンホールを塞いでしまうのが分かると思います。
私だったら、ボタンホールを見たいので裏から縫いますが、國吉さんは表から縫っていました。
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なんで表から?と聞いたら、「慣れてるから」と軽く言っていました。
今まで、尋常ではない数のジーンズを縫ってきた職人さんなので・・・。

ここのステッチに関して國吉さんはこう言っています。

ここのステッチは強度を保てれば、細い番手のステッチを使い弱弱しく見えるくらいが丁度良いと自分は考えます。

細い番手のステッチで強度を保てるのにあえて太い番手のステッチを使うより、細い番手、太い番手をパンツに使いわけることによってパンツの表情に立体感やメリハリが出て来ます。

私は、この考えに加えて、「穿き込んだ時にどんなアタリが出るのか」を考慮して糸使いを決めています。他には糸の色抜け、切れ具合などなど、気にする点は多々。
ヴィンテージがこうだから、という単純な考えで決めれば楽なんですけどね(笑)

続いて、股部分。
ここもヴィンテージには見られない縫い方になっています。
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次の写真の様に、ビンテージを参考にして一筆縫いにしてあるブランドが多いと思いますが、國吉さんは返し縫いを入れて強度を出しています。
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まずは、返し縫いを入れて縫い下がっていきます。返し縫いとは、ステッチを重ねて縫う方法で、強度アップやほつれ止めの効果があります。
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下まで縫いきったら、糸を切って、スタート地点まで戻って、今度は横方向に返し縫いを入れます。
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それから、縫い下がってフィニッシュ。
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これで、強度はバッチリです。
この部分は、國吉さんらしい縫い方なので、bridge 3rd modelの企画をスタートさせた時点で、取り入れたいと考えていました。

架け橋(bridge)という名のジーンズ|Double Volante

まずはこちらをご覧ください。架け橋(bridge)という名のジーンズ

ここでは、バックポケットを縫いつける工程を紹介しています。

まずは、飾りステッチの下書きを済ませたバックポケットに直線のステッチを入れていきます。
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効率アップのため、糸を切らずに、次々とポケットをミシンに送っていきます。

次に、カーブステッチ。
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続いて、ポケット口の縫製。ここも、糸切りなしで次々と。
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ここまで済んだら、身生地にポケットをカン留めして隠しリベットを打ってから縫いつけます。
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ポケット口右端から外周外側にステッチを走らせて左端に到着。そのまま内側に進み下がっていき、右端の内側に戻ってフィニッシュ。
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片側の幅が狭くなっている押さえを使って、上記の順番で縫う事で、隠しリベットの際にステッチを通す事が可能になります。隠しリベットに押さえが乗っては縫えないからです。
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最後に飾りステッチの下書きを消します。
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余談ですが、沖縄での販売時には、完成がギリギリで、この消しゴム作業は店頭でやっていました。
「それも味だから、消さなくていいよ」と言ってくれるお客さんが何人もいました。

完成はこちら。
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糸の太さは2種類、糸のピッチは3種類、糸の色は2種類、糸の素材は2種類。
生の状態での立体感、洗い込んだ際のパッカリングの出具合、糸切れのタイミング、糸の色抜けを楽しむ仕掛け、バックポケット自体の強度、ちょっとした遊び心。
こだわりの詰まったバックポケットになっています。
縫うのは気を使うポイントがたくさんあって、かなり手間です。國吉さん、ありがとうございます・・・。

大股のステッチはシングルステッチ仕様|Double Volante

まずは、こちらをご覧ください。 大股のステッチはシングルステッチ仕様

ここでは、インシーム(内股)を縫い合わせる工程を紹介しています。

完成した前身頃と後ろ身頃。
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この二つを合わせるには、まず、インシーム(内股)から縫います。
ここだけでも工程が3つ。

  1. オーバーロック
  2. 地縫い
  3. コバステッチ

順番に見ていきましょう。

1.オーバーロック
前身頃と後身頃を重ねる。
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タテ糸がバサバサ出ていますね。内股はカーブがきついので、作業で動かしているうちに、タテ糸がどんどん出てきます。キバタのデニムなのでなおさらです。
このように重ねた状態で、オーバーロックミシンをかけると、仕上がりはこんな。(ここは、股部分)
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前身頃と後身頃が合わさって、ほつれ止めもできています。先ほどの、タテ糸のバサバサもなくなっています。何故でしょう?

このミシンには、縫うだけではなくて、切る機能も付いています。切ったそばからほつれ止めができる、とても理にかなった縫い方ですね。
押さえのそばに刃が付いていて、生地が送られると切れていく仕組みです。
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なかなかイメージが湧きづらいと思います。
動画があるのでご覧ください。
片足のスソから縫い始めて、股を通って、もう片足のスソまで一気に縫っています。刃で切れた糸やデニムが手前に落ちていくのも分かると思います。

2.地縫い
これだけだと、合わさる強度がないので、きちんとシングルステッチを入れます。
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もちろんbridgeでは、このステッチも、糸の太さ、ピッチを指定してあります。

3.コバステッチ
コバステッチとは、次の写真の横方向のステッチの事です。
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オーバーロックと地縫いが済んだものを表に返して、合わせ目を開いて押さえつけるように縫いつけます。
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bridgeでは、インシームのアタリにも気を配るので、コバの幅(生地の折り返しからステッチの距離)を広く、太めの糸で、ピッチを大きく縫っています。
そして、3rdならではの特徴があります。
普通、このコバステッチは、チェーンステッチで縫います。皆さんのジーンズのスソをめくって、確認してください。たいがい、チェーンです。しかし、bridge 3rd では、シングルステッチで縫っています。
シングルとチェーンでインシームのアタリの出方に、どんな違いが出るのか?
私的には、とても楽しみな部分です。

ここまで行ったら、國吉さんは、股にカン留めを入れるようです。
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この部分は、サイドシームを縫い合わせる前に、カン留めを入れた方が、確かに作業が楽そうです。
想像するに、筒状になっちゃうと、ミシンを入れにくいですからね。
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ベルトループ作成中・・・|Double Volante

まずはこちらをご覧ください。ベルトループ作成中・・・
ベルトループ作りには、専用のミシンがあります。
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アタッチメントに生地を送り込んでいくと、ベルトループの形に折り込まれていきます。
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動画もご覧ください。

出来上がりはこちら。生地を重ねがらどんどん送っていくので、1本の長いロープ状になっています。
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bridge 3rd では、ベルトループの糸使いにも気を使っています。
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具体的には、幅が広めで中盛りのベルトループに、太めの糸をピッチ粗目で仕上げています。

まとめ

※この記事は、まだ編集途中です。

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